敗れても惜しみない拍手 ファン「大谷は野球の未来だ」

デンバー=中井大助
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 コロラド州デンバーのクアーズフィールドは12日、ホームランダービーが始まる前から興奮に包まれていた。打撃練習で大谷はフェンス越えを連発。なかでも、ライトスタンドの最上階まで届く、推定155メートルの飛球には観客がどよめいた。

 テキサス州オースティンから来たジェフ・ウォレスさん(41)はデンバーに到着し、大谷の名前が入ったTシャツをさっそく購入した。「普段はアストロズを応援しているけれど、野球が好きならば大谷を好きにならざるを得ない。彼は野球の将来だ」と熱弁した。

 ホームランダービーの8人の出場選手の中で、最後に大谷が登場すると観客は総立ちのスタンディングオベーションに。最初は低めの打球が多く、ホームランを放ったのは10球目。当初の持ち時間3分を約半分終えても本塁打は5本だった。しかし、そこから大谷は本塁打を量産。高い飛球がスタンドに届くたびに、大歓声が上がった。

 最初のクールを終え、大谷と相手のナショナルズのソトはそれぞれ本塁打が22本。1分間の延長戦を終えても28本と並んでいた。最後の決着は3回バットを振って本塁打の数を競う「スイングオフ」。ソトが3本とも本塁打だったのに対し、大谷は最初の一振りがスタンドに届かず、敗北。大谷がソトに近づいて抱き合うと、観客は惜しみない拍手を送った。(デンバー=中井大助

「ベーブ・ルースに近づく選手」「歴史的な瞬間を目に」

 コロラド州アスペンのマイケル・ブラウンさん(43)は「ベーブ・ルースに近づく選手がいれば、絶対に見るしかない。彼は謙虚で、好感も持てる。新型コロナウイルスも終わりに近づき、みんなで楽しめるのは最高だ」と話した。

 エンゼルスの本拠地、アナハイムから兄弟で来たブライス・マルコサさん(26)は「打撃練習をし、ファンに対してサインをしているのを見るだけでも素晴らしい。この2週間は投手として投げ、ホームランもたくさん打って、少し疲れていたかもしれない。今晩はゆっくりして、明日は素晴らしい投球をすると思う」と期待を込めた。

 日本人のファンも多かった。テネシー州ナッシュビルから来た池野内真弥さん(36)は「少しでも歴史的な瞬間を目に残したく、見に来た」と話した。「投手と野手の両方ができるのが、他に誰も持っていないところで、そこが感動的です」(デンバー=中井大助