邪馬台国の候補地、論集にカンパ求む 返礼は現地ツアー

清水謙司
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 邪馬台国の有力候補地とされる纒向(まきむく)遺跡奈良県桜井市)。遺跡の研究成果を論集にまとめるために、市がクラウドファンディング(CF)を始めた。返礼品は、専門家による現地ツアーなど。考古学ファンにはたまらないプレゼントが待っている。

 論集の刊行は、市纒向学研究センターが来年設立10周年を迎えるのを記念して計画された。さらに、今年は初めての発掘調査から50周年。調査回数も200回を超えた。節目を迎え、記念論集「纒向学の最前線(仮)」で、市は調査研究の成果をアピールしたい考えだ。

 考古学や文献史学、自然科学など様々なジャンルの専門家約80人が執筆陣に加わり、約700ページの豪華版となる見込み。センターの寺沢薫所長(考古学)と専門家が続けてきた人気イベント「纒向学セミナー」の書籍化も予定している。

 纒向遺跡は、全国の考古学ファンが注目する遺跡の一つだ。3世紀代を中心に営まれた広い遺跡(東西約2キロ、南北約1・5キロ)で、2009年に発掘された国内最大とされる大型建物跡は、邪馬台国を治めた卑弥呼の神殿か宮殿かと話題になった。卑弥呼の墓との説がある箸墓(はしはか)古墳も遺跡内にある。

 全国各地の土器が見つかり、運河が縦横に走るなど「日本最初の都市」とも言われている。寺沢所長も「纒向遺跡は3世紀の霞が関にあたると言えるだろう」と話す。

 こうした遺跡に関する論集だけに、CFの返礼品もファンを喜ばせるものを取りそろえた。現地ツアーは3万円の寄付で参加でき、寄付者限定の纒向学セミナーへの招待もある。ツアーは、纒向遺跡の調査研究にあたる研究員たちが大型建物跡の場所や箸墓古墳などを半日かけて一緒に回る。

 福辻淳主任研究員は「遺跡は田んぼしかないと言われることもあるが、あぜの形などから分かることも随所にある。足の裏で纒向遺跡を感じてもらえるようにします」と言う。

 纒向遺跡を代表する遺物の一つでユーモラスな形の木製仮面のストラップなどが5千円。祭祀(さいし)遺物・弧文円板(こもんえんばん)のコースターが1万円。論集は10万円でもらえる。CFの目標額は計450万円だ。

 このCFは、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の「ガバメントクラウドファンディング」で受け付けている。プロジェクトページ(https://www.furusato-tax.jp/gcf/1264別ウインドウで開きます)で10月4日まで。問い合わせはセンター(0744・45・0590)へ。(清水謙司)