戦後民主主義の実態を問う 山本昭宏・神戸市外大准教授

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池田洋一郎
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 ポピュリズム排外主義の台頭、国民の私権を制限しかねないコロナ対策強化など民主主義の危機を唱える議論がかまびすしい。折しも、山本昭宏・神戸市外国語大准教授(歴史社会学)が『戦後民主主義 現代日本を創った思想と文化』(中公新書)、『原子力の精神史――〈核〉と日本の現在地』(集英社新書)を相次いで出版し、通史として戦後民主主義を振り返りながら、その実態を問うている。

 山本さんは、尊敬する作家の大江健三郎が「戦後民主主義者」を自称し、擁護する一方、戦後民主主義を厳しく批判する人がいることが気になっていたという。東日本大震災後の原発や平和安全法制への反対運動の高まりも、民主主義とは何かを考えさせた。

 「戦後民主主義は、戦争はもうこりごりだという軍国主義への反省が出発点」という。戦後民主主義の構成要素に、日本国憲法に基づく直接的民主主義、戦争放棄による平和主義、法・経済・教育など各方面における平等主義を挙げる。こうした思想は制度改革や社会運動、マスメディアなどを通して広く国民に受け入れられていく。その過程で山本さんが注目したのが、映画や小説、アニメ、テレビドラマなどの文化だ。

 「戦後民主主義は、社会の変…

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