規制委、東電社長を聴取 柏崎刈羽のテロ対策不備問題

藤波優、川村剛志
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 東京電力柏崎刈羽原発新潟県)でテロ対策の不備が相次いだ問題で、原子力規制委員会は13日、東電本社(東京都千代田区)に法令に基づく立ち入り検査に入り、小早川智明社長への聴き取りや資料の確認を行った。規制委が電力会社に立ち入り、トップから事情を聴くのは異例だ。

 検査は、原子炉等規制法に基づくもの。規制委の担当者ら4人が東電本社に入り、小早川社長から問題が発覚した時の認識などを約1時間にわたって聴いた。終了後、規制委の金子修一・検査チーム長は、核物質防護に関する情報は機密性が高く取り扱いが難しいとして、「社内での情報共有が必ずしも十分でなかったのではないか、という印象を受けた」と話した。

 柏崎刈羽原発では今年に入り、テロ対策の不備が相次いで発覚。昨年3月以降、不正な侵入を検知する複数の設備が故障するなどし、外部から侵入されかねない状態が長期間続いていたことが明らかになった。さらに、昨年9月に社員が同僚の認証カードで中央制御室に不正入室していたことも判明した。

 一連の問題を受け、規制委は今年4月、東電に同原発内での核燃料の移動を禁じる是正措置命令を出し、原因と再発防止策などの報告書を9月23日までに提出するよう求めている。

 規制委はその後、数カ月間に及ぶ本格的な検査を予定。その上で、東電の核物質防護に対する取り組みが十分かどうかを最終的に判断する。一連の検査には1年以上かかる見込みで、その間は再稼働できない状態が続く。

 柏崎刈羽原発をめぐっては、東電が今年1月に完了したと発表していた7号機の安全対策工事で、耐火材の未設置など工事の未完了が89カ所あったことが判明。さらに「6、7号機の消火配管で、ずさんな溶接を行っている」などと工事の不備を告発する情報提供があったことも判明し、東電が調査を進めている。藤波優、川村剛志)