大阪に巨大なブラックボックス 流浪のアートたちの家

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編集委員・大西若人、田中ゑれ奈
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 文化施設の集積地をめざす大阪・中之島エリアに、巨大な黒い箱が誕生した。1990年の建設準備室設置から、時流に翻弄(ほんろう)されて30年あまり。来年2月2日に開館する大阪中之島美術館(大阪市北区)は、世界が注目するコレクションの「家」となる。(編集委員・大西若人、田中ゑれ奈)

街に開かれた黒い箱

 30年越しの夢にふさわしい「美の器」の誕生――。今月初めに関係者に公開された大阪中之島美術館の建築は、そんな風に形容できる。大阪の都心に来年2月に開館する西日本最大級の美術館の姿は、高いレベルの建築デザインと、現在の公立美術館が置かれた状況を示している。

 真っ黒なボックス形の建物の中には凹凸のあるダイナミックな吹き抜けがあり、長大なエスカレーターが交差している。最大の建築的特徴だ。大阪市が整備し、建築を含む総施設整備費は約156億円。延べ床面積は約2万平方メートルだ。

 建築家の遠藤克彦さん(51)の案は、2017年に設計競技で選ばれた。参加は68者で、名だたる建築家たちが含まれていたとされる。最終候補にも、文化功労者の槇(まき)文彦さんや、美術館の実績も多い設計事務所最大手・日建設計が名を連ねていた。その中から選ばれたのが遠藤案だった。

 美術館建築は、かつては「美…

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