部活とバイトの「二刀流」 僕と妹のため働く母の助けに

西田有里
[PR]

 第103回全国高校野球選手権兵庫大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)の第7日は13日、7球場で2回戦14試合があった。春季県大会で16強に入った第1シード校のうち尼崎工は3―4で明石に、洲本は2―8で相生にそれぞれ敗れ、初戦で姿を消した。一昨年の甲子園で春夏連続4強に入った明石商は加古川東に8―0で7回コールド勝ちし、初戦を白星で飾った。14日は8球場で2回戦15試合が予定されている。

(13日 高校野球兵庫大会 神戸高専5-6舞子)

 3点を追う八回表、神戸高専の芹川大雅君(2年)は、1死一塁の場面で代打に出た。暴投で走者が二塁に進むと、とっさに思った。「ここで打ったら、かっこいいな」

 3球目の内角直球をとらえ、ライナー性の当たり。しかし中堅手のグラブへ。悔しそうな表情で走りつつ、「くそっ」と叫んだ。

 高校1年の頃から部活とアルバイトの「二刀流」。平日2日と練習試合のない土日は、グラウンドではなく飲食店のホールに立つ。自分と二つ年下の妹のために働いてくれる母の助けになりたい。

 両立は簡単じゃない。実際、捕手として出場した今春の地区大会では「自分の捕球ミスがきっかけで得点された」。部活をやめようと思った。

 でも、監督の一言でハッとした。「休むことは仕方無い。芹川はもっと出来ることがあるんじゃないか」

 練習時間が少ない分、濃くすることを心がけた。練習メニューの合間、仲間たちが休憩しているわずかな時間で、素振りしたり、キャッチボールをしたり。「これだけ意識してやってきたから夏の大会は大丈夫」と自信が深まった。

 心がけたことは、もう一つ。自分の良さは声が大きくて、チームの雰囲気を変えられること。練習がだらけた時は自分が声を出して引き締めよう。この日の試合も代打に入るまで、ベンチの中で誰よりも大きな声を出した。

 延長十一回までもつれ込んだが、サヨナラ負けとなった。芹川君は語った。「今日の結果は悔しいけど、新チームでは自分が先頭に立って、声出しや無駄な時間をなくす努力をしていきたい。まだまだ僕たちは出来ると思う」(西田有里)