岩井志麻子さん「ぼっけえ、きょうてえ」の後継作

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野波健祐
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 先の世紀末、岡山弁を駆使した一冊の怪談集がベストセラーになった。岩井志麻子さんのデビュー作『ぼっけえ、きょうてえ』。その「正統後継作」をうたう『でえれえ、やっちもねえ』(角川ホラー文庫)が刊行された。岩井さんにとって、実に22年ぶりの原点回帰。執筆のきっかけはコロナ禍にあった。

 最初の緊急事態宣言下、友人との飲み会も、大好きな海外旅行も、テレビの出演もすべてなくなった。家にこもるしかなくなり、二十余年前の記憶がよみがえった。短編「ぼっけえ、きょうてえ」が文学賞を受けたのを機に離婚、先の見えないまま、岡山から独り東京へ出てきた。

 「孤独地獄の中、小説を書くしかない状態で生まれたのがあの本でした。今は仕事もあるし友人もいるけど、当時を思いだして。執筆したときの資料を読み返したんです」

 『でえれえ、やっちもねえ』…

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