7月13日の高校野球 山梨

玉木祥子
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 投手が粘り、終盤に1点を返すなどシード校相手に気持ちでは負けなかった。日大明誠はAシードの東海大甲府に昨秋の県大会で、富士北稜はBシードの甲府城西に昨夏の独自大会で敗れた。あのときの悔しさを胸に全力でぶつかった。第3試合と第4試合は雷のため順延となった。

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 公式戦での登板はこの日が初めてだった。マウンド上で思い出したのは、昨夏の独自大会で力投した兄のことだった。同じチームの先輩としても追い続けてきた存在だ。

 昨夏の独自大会でも初戦で甲府城西と対戦し、敗れていた。今年の組み合わせが決まると、今は県外に住む一つ上の兄の祐羽(ゆう)さんから連絡があった。「また負けるな」と挑戦的な内容で、「兄を含め先輩たちの思いを晴らしたい」と奮い立った。

 山中昭平監督から素質を見いだされ、本格的に投手となったのは今年5月。昨年のエースだった祐羽さんに、LINEで自分のフォームの動画を送ってアドバイスをもらったり、投手のトレーニング方法を教えてもらったりした。

 祐羽さんと同じ背番号1をつけて臨んだ試合。序盤に盗塁や犠飛を絡めて攻められ、3点を許した。「緊張で出だしがだめだったけど、楽しかった」

 試合後、見に来ていた祐羽さんから「おつかれ」と声をかけられた。使っていたグローブは祐羽さんのものだ。託された思いを背負って戦い抜いた。「ずっと背中を追いかけてきた存在だった。少しは追いつけたかな」。最後まで148球を投げきった表情はすがすがしかった。(玉木祥子)