怒られてばかりの「わんぱくジョー」 主将になって成長

黒田陸離
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 第103回全国高校野球選手権神奈川大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)は13日、各地で計19試合があった。甲子園春夏連覇をめざす東海大相模と、3年ぶりに代表の座を狙う横浜が登場し、ともにコールド勝ちした。降雨のため、予定されていた3試合は、試合の前や途中で中止になった。14日は11球場で25試合を予定している。

(13日 高校野球神奈川大会 厚木北6-3横須賀学院)

 4点を追う七回裏無死満塁、横須賀学院の横田丈(じょう)主将(3年)は「打てるところに来たら何でも打つ」。真ん中に入った変化球に反応したが、少し力んだ。右犠飛で1点をかえしたが、顔をしかめながらベンチへ戻った。

 前主将から後任に推薦されたが、「なんで自分が?」。授業中にスマートフォンをいじったり、ポケモンGOに熱中して練習に遅刻したり。主力だったが怒られてばかりだった。「チームが変わるためにもお前がやった方がいいじゃん」。前主将に言われ引き受けたが、チームメートは全く言うことを聞いてくれなかった。

 それでも、へこたれなかった。「全体的に慎重なメンバーが多いなか、わんぱくさで先頭を切る。彼がいないとチームが進まない」と河合洸貴(ひろたか)監督。3年生を中心に主将をもり立て、春の県大会で16強に入り今大会のシード権を得た。

 九回裏2死、次打者席へ向かう横田主将はベンチの声を聞いた。「ジョーまで回せ!」。七回に思うような結果を出せなかった主将にもう一度つなごうとする仲間たち。こみ上げるものを隠すように、持ち前の笑顔で2年生の打者を励まし続けた。6球目、打者が空振り三振に倒れると「やり切った」と2度手をたたいて整列へ向かった。

 目標に掲げた春を越える8強はならなかったが、「その過程や練習に後悔はない。後輩たちに期待しています」と汗をぬぐった。(黒田陸離)