中3自殺、市長ようやく責任認める 提訴から3年5カ月

荻野好弘
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 愛知県一宮市の市立中学3年の男子生徒(当時14)が自殺し、生徒の両親が学校側の指導に問題があったとして、市に損害賠償を求めた訴訟は13日、事実上の和解が成立した。提訴から3年5カ月。中野正康市長、高橋信哉教育長らが謝罪会見を開き、ようやく責任を認めた。

 中野市長は「子どもが未来に希望を持てない状況を作り上げてしまったことに深く責任を感じている」と述べた。一方で、名古屋地裁一宮支部が昨年11月に示した当初の和解案を受け入れなかったことについて、「真実に即した形で合意したかった」と述べ、個々の教員の責任を否定する姿勢を示した。

一宮市は当初の和解案を拒否

 裁判記録などによると、市側は当初の和解案を拒否した後、心理学者の意見書をもとに責任を改めて否定する主張を展開した。だが地裁支部は、担任との関係が悪化した生徒に別の進路指導教諭が「寄り添う姿勢の感じられない発言」をして「無用に強い精神的な不安、失望などの負荷をかけた」とする当初案の見解は変えなかった。ただ、和解条項では教諭個人の言動には触れないという。

 原告代理人の鈴木泉弁護士はこの日、「こちらの主張が全面的に認められたと理解できる」と話した。

 男子生徒は受験直前の17年2月、「担任に人生全てを壊された」とゲーム機に書き残し、大阪市でビルから飛び降りた。両親は1年後に市を提訴していた。(荻野好弘)