ふるさと納税汚職 奈半利町の元課長補佐ら一部否認

羽賀和紀、森下裕介
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 高知県奈半利(なはり)町のふるさと納税の返礼品をめぐる贈収賄事件で、返礼品を扱う業者から賄賂を受け取ったとして受託収賄などの罪に問われた同町元課長補佐の柏木雄太被告(42)と元課長の森岡克博被告(46)の初公判が14日、高知地裁であった。両被告は、受託収賄の起訴内容について無罪を主張。そのほかの収賄などの起訴内容については認めた。柏木被告は「大きな事件を起こし、深く反省している」と述べた。

 起訴状によると、両被告は2018年3~6月ごろ、県内の水産会社役員(31)=贈賄罪などで有罪判決確定=から、自社の「アーモンド小魚」をふるさと納税の返礼品に選び、継続的に発注してほしいと請託を受け、その見返りに現金計約180万円を受け取ったとされる。

 また柏木被告は両親と共謀し、返礼品を扱う町内の3業者に対し、叔父(68)=贈賄罪で有罪判決確定=が営んでいた精肉店に豚肉の仕入れや加工を委託するよう指示。その見返りとして、叔父夫婦に16年3月~19年7月、柏木被告の父親が管理する口座に計9197万円を振り込ませ、受け取ったとされる。(羽賀和紀、森下裕介)

寄付額全国9位から一転、指定除外

 特産品が少なかった高知県奈半利町は、県外産のホタテやカニを高い返礼率で提供し、注目を集めた。2017年度に集めた寄付金は39億円で、全国の自治体で9番目に多かった。

 しかし、過度な返礼品競争が問題視され、国は19年に法を改正。「返礼品を調達する費用は寄付額の3割以下で、地場産品に限る」などとされ、町の19年度の寄付額は前年度の1割ほどに減った。調達費の割合を偽装して国に申告したとして、総務省は20年7月、町を2年間、ふるさと納税制度の指定から除外した。

 贈収賄事件を調査した第三者委員会の報告書を受け、町が事件発覚後に実施した職員アンケートでは、柏木雄太被告らによる業務の進め方に疑問を持っていた職員が複数いたという。しかし町によると、柏木被告らが報道で取り上げられたこともあり、「声を上げづらい雰囲気がつくられた」という。

 町は今年2月、柏木被告と、上司だった森岡克博被告の起訴などを受け、2人を懲戒免職にした。3月には再発防止策を発表。ふるさと納税制度に再び参加することを目指している。(羽賀和紀)