天理の左腕が被安打1の好投 急成長で背番号1をつかむ

山口裕起
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(14日、高校野球奈良大会 奈良朱雀・奈良商工0-7天理)

 今春の選抜大会で4強に入った天理が、奈良大会初戦の2回戦に臨んだ。奈良朱雀・奈良商工を相手に、エースナンバーの森田雄斗(3年)が7回無失点と好投し、七回コールド勝ち。2017年の大会以来となる夏の甲子園に向けて好発進した。

 最速143キロの直球と鋭く曲がるスライダー。森田の持ち球は2種類しかないが、その精度が光った。ベースの両端に投げ分け、許した安打は1本。九つの三振を奪い、「緊張したけど、背番号1の自覚と覚悟を持って投げられた」と心地良さそうに汗をぬぐった。

 チームにはプロ注目の193センチ右腕・達孝太(3年)がいるが、選抜で脇腹を痛め、夏まで別メニューの調整が続いた。その間に急成長したのが、森田だ。ひじを痛め、背番号16で臨んだ選抜は登板がなかった。選抜後にフォームのテイクバックを小さくしたことで、「腕の振りがスムーズになった」。昨秋から球速が10キロ近く速くなり、春の県大会で好投。仲間の信頼をつかんだ。

 今大会の2週間前、チームは選手間投票で背番号を決めた。「1」はきんさで達が上回ったが、最後は中村良二監督が決断した。「あいつが一番がんばったから、エースナンバーを与えた。みんな納得していると思う」。達は今大会、11番をつけている。

 「めっちゃうれしかった」と森田。でも、浮かれてはいない。「1番をもらって調子にのっている、と思われたくないから親にも言っていません。きょうは観戦に来ていたので驚いていたかもしれません」

 胸を張るのは、チームを甲子園に導いた時と決めている。そして、言った。「1番をつけて甲子園のマウンドに立ちたい。達はすごい投手だけど、簡単に譲るつもりはありません」(山口裕起)