双子で最後のバッテリー 夏が終わり、歩み出す異なる道

渡部耕平
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(13日 高校野球青森大会 東奥学園12-2青森東)

 絆の強さなら、どこにも負けない自信がある。青森東のエース倉本嶺(れい)(3年)と捕手の倉本駆(かける)(3年)は双子の兄弟だ。小学4年から一緒に野球を始め、中学高校と同じチームで励まし合ってきた。身長も同じ170センチ。東奥学園に敗れたものの、集大成といえる好プレーを見せた。

 この兄弟らしさにあふれたプレーは、一回から始まった。無死二塁から弟の駆が投前にスリーバントを決め、走者を三塁に進めた。先取点が入った直後の1死一、三塁、兄の嶺も投前スクイズを成功させ、2点目をもぎ取った。同じ小技でチームに貢献した。

 兄弟バッテリーがピンチを救ったのは、2―5で迎えた七回。1死三塁で、背番号1の嶺が右翼手から交代して救援に回った。背番号2の駆のサインに、兄は首を横には振らない。球威のある直球で右飛、切れのあるカットボールで二飛とテンポよく打ち取り、この回は追加点を許さなかった。

 八回以降はバッテリーの本領を発揮できず、突き放された。無理もない。兄は右肩のけがに苦しみ、3カ月近く投球ができなかった。「それでも投げたい」。大会前に熊谷浩二監督に訴えた。兄は大学進学を希望し、弟は公務員をめざしている。2人でバッテリーを組むのは最後。だからこそ、夏に懸けていた。

 「最後に弟とバッテリーが組めて安心感がありました。悔いはないです」と嶺。「兄が自分にとって一番しっくりくる投手。試合はとても楽しかった」と駆。双子にとって「有終の美」を飾った。(渡部耕平)