学術会議問題とは何か 任命拒否された加藤陽子氏が語る

編集委員・塩倉裕
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 なぜ任命拒否は行われたのか――。日本学術会議の会員候補6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題をめぐり、6人のうちの1人で歴史学者の加藤陽子・東京大学教授が朝日新聞社のインタビューに応じた。加藤さんは、任命拒否した理由を説明しようとせず、批判されても見直しに応じない現政権の姿勢を批判した。

 日本学術会議は理学・工学や人文・社会など幅広い科学者が集う組織で、政府に政策提言する役割を担ってきた。菅首相は2020年秋、会議が新会員候補として推薦した候補者105人のうち6人を除外して任命する異例の決定をした。除外されたのは加藤さんのほか、宇野重規・東京大教授(政治思想史)、芦名定道・京都大教授(宗教学)、岡田正則・早稲田大教授(行政法学)、小沢隆一・東京慈恵会医科大教授(憲法学)、松宮孝明・立命館大教授(刑事法学)。

 問題は国会などで大きく取り上げられたが、菅首相は任命拒否の理由について「人事に関することで、お答えは差し控える」などとして具体的に説明していない。6人は拒否の理由や経緯が記録された文書の開示を政府に請求したが、政府は6月、不開示とする決定を通知した。

 加藤さんは自身が任命拒否された理由について今回、「私が国民の前で(行政の問題点を)説明できる人間だったことが、不都合だったのではないか」と推測した。

 除外されたのは、なぜ「6人」だったのか。この人数について加藤さんは、政権側の「シグナル」である可能性を指摘している。(編集委員・塩倉裕)