内務相宅に棺おけ ベイルート爆発から1年、遺族がデモ

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ベイルート=伊藤喜之
【動画】ベイルートで家族が抗議=伊藤喜之撮影
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 爆発は政府の責任だ――。耐えかねた遺族や生存者らの怒りは頂点に達した。中東レバノンの首都ベイルートの港で約200人が死亡した倉庫の爆発からまもなく1年。真相究明を求めてきた遺族らが13日、大規模な反政府デモを展開した。警官隊と激しく衝突し、数十人のけが人が出る事態になっている。

 13日午後6時ごろ、デモ行進してきた遺族ら数百人が、ムハンマド・ファミ内務相が住むベイルート中心部の高級アパートを取り囲んだ。

 「体制を打ち倒せ! ムハンマド・ファミは万死に値する。報復はきっとなされる」

 犠牲者の遺影を手に、シュプレヒコールを繰り返す。数十人の警官隊がアパートの敷地入り口の鉄柵の向こうで強化プラスチック製の盾を持って立ちふさがっている。

 遺族の一部らはトラックで10個ほどの棺おけを運び込み、警官隊の頭越しにアパートの敷地内へと投げ入れていく。遺族の女性は取材に、「内務相に人々の死の重みを実感させるためだ」と語った。

 遺族らは3カ所の鉄柵を押し倒し、敷地内へとなだれ込んだ。

 控えめな実力行使で対処していた警官隊だったが、デモ参加者が赤い塗料スプレーを警官隊に噴射するなどして威嚇したことをきっかけに対応を一変させた。警棒で参加者を殴打するなどし、頭から流血するけが人が続出した。

 「内務相が出てこなければ、アパート内に入る。10分だけ待つ」

 デモ主催者が拡声機で呼びかけた。しかし、10分以上が経過しても内務相は姿を現さない。遺族らが警官隊を押し込めようとすると、パンッ、パンッという破裂音とともに群衆の足元から白煙が上がった。

 催涙弾だ。群衆は一斉に後退し、涙を流しながらせき込んだ。

 それでも参加者たちは、何度も押し込もうと試みる。そのたびに警官隊が立ちふさがり、攻防は翌日未明まで続いた。

 なぜ、これほどの事態に発展したのか。

 爆発が起きたのは昨年8月4…

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