日本ハム清宮の弟がいる早稲田実に挑む エースの狙いは

横山輝
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(14日、高校野球西東京大会 早稲田実9-2大成)

 初回の守り。いきなり1死二塁のピンチを迎えた。相手打者は早稲田実の中軸の清宮福太郎。しかし、大成のエース三木楽種(がしゅ)(3年)はその時間を楽しんでいた。直球でストライクを取った後の2球目、思い切り腕を振った。得意のスライダーを外角に投げ込み、強打者を投飛に仕留めた。

 6月の抽選会で自分がクジをひいた。当時は意識しなかったが、初戦に勝つと早稲田実と戦う組み合わせだった。「清宮選手は(北海道日本ハムファイターズの)清宮幸太郎選手の弟。打ち取れればうれしいよな」。初戦突破が目標だったが、「有名人」を打ち取ることを狙い始めた。

 自信はあった。スクワットなどで下半身を強化してきた。個人でジムにも通って鍛え、課題だった制球力が増した。この日の対決は、初回の「勝利」後は、「圧がすごかった」。適時打2本を打たれ、二つの四球を与えた。かなわなかったが、楽しめた。

 チームのみんなが支えてくれた。エラーが多いチームなのに、この日は1失策。二回の攻撃では、四球や安打を絡め、7番打者が執念で飛びつくスクイズを決めて先取点。序盤は1点差で食らいついた。結果はコールド負けだったが、最後までベンチは明るく笑顔で、元気なげきが飛び交っていた。

 試合後の三木にも涙はなかった。どんな夏だった? 「今までで一番、楽しい試合だった」。最後の夏、ベストゲームができた。=ネッツ多摩昭島

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 早稲田実が大成に七回コールド勝ちした。前日に雨天ノーゲームとなったための再試合で、夏の甲子園29回出場の強豪が「修正力」を見せつけた。

 前日の試合では、初回から6安打の猛攻で一挙4得点。その直後に雨が強まった。14日の再試合では、一回の攻撃で先頭が出塁しながら後が続かず、二回にスクイズで先取点を許した。

 ただ、「もともと打つチームじゃない。焦りはなかった」と主将の清宮福太郎(3年)。自身、第1打席は投飛を打ち上げたが、以降は「目線を下げて球を選んだ」と、地をはう打球で適時打を2本放った。和泉実監督は「序盤は力んだがすぐ修正できた。緊張感が続くなかでいかに戦うか。これが夏の大会だ」と話した。=ネッツ多摩昭島(横山輝)