コロナ禍での教育行政は 北海道と札幌市の新教育長が語る

有料会員記事

聞き手・芳垣文子
[PR]

 北海道では6月1日付、札幌市では5月25日付で、それぞれ新しい教育長が就任した。倉本博史・道教育長(60)、檜田英樹・札幌市教育長(59)に、新型コロナウイルス感染対策が続く中での学校教育のあり方やICT(情報通信技術)教育の進め方、教員のなり手不足への対策などについて聞いた。(聞き手・芳垣文子)

倉本・道教育長 教員なり手不足「危機感」

 ――コロナ禍の中、教育行政をどう進めますか。

 「学習進度の遅れにつながらないよう、ICT(情報通信技術)による実践事例を道教委で集めて伝えていく取り組みを進めている。子どもの心のケアも欠かせない。子どもの不安や悩み、差別や偏見が生じないように、スクールカウンセラーを緊急派遣するなど、相談しやすい雰囲気づくりに努めている。SOSを早くつかむ体制が大事だ」

 ――ICT教育の方針や目標は。

 「広大な北海道では、生きていくツールにもなり、積極的に進めていく必要がある。学校や地域間に大きな差が出ないよう、うまく進めるコツやヒント、モデルなどを共有していくことが重要だ。新しい学習指導要領でも、情報活用能力が求められる。推進校を指定して先進事例を広めていきたい。家庭によっては通信環境が十分でない場合もある。機器の貸し出しなどで負担にならないよう、十分配慮しサポートしていく」

 ――教員のなり手不足にはどう対応しますか。

 「相当危機感を持っている。北海道は広域異動が伴うのも大きな課題だ。地域の小規模校やへき地校、長時間勤務への不安もあると考える。ただ、地域の小規模校では、そこでしか得られない魅力もある。道内の教員養成大学と市町村が連携し、教育実習前などに地域の小規模校で短期間実習を体験する『草の根教育実習』に取り組んでいる。北海道の学校で働く魅力を発信し、道内外からの志願者を増やしたい」

 ――教師の働き方改革をどう進めますか。

 「教師が学校にいる時間を適切に把握する取り組みも進んでいるが、重要なのは教師個人だけではなく、チームを作って学校全体で仕事の効率化などを工夫することだ。部活指導員の導入や、外部との交渉や調整ではスクールロイヤーなど外部の専門家に相談できる体制の整備も視野に入れている」

 ――いじめ問題への取り組み…

この記事は有料会員記事です。残り1827文字有料会員になると続きをお読みいただけます。