南陽・長岡南森遺跡 円弧描く斜面 後円部か

石井力
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 東北地方で最大級の前方後円墳の可能性がある山形県南陽市長岡の長岡南森遺跡を巡り、同市教育委員会は14日、今年度の発掘調査結果の説明会を開いた。南西部の調査地点から丸みを帯びて円弧を描く斜面が出土し、後円部に相当する可能性があるという。

 2018年度から発掘調査を始め、これまでは前方部にあたる北部を調べた。その結果、段状の地形やテラス状の面、前方部と後円部の境にあたるくびれ部に相当する地形が出土した。また、古墳時代の祭祀(さいし)用の土器などが多数出土しており、古墳とみられる「状況証拠がそろってきた」という。

 今年度の調査地点は、戦後に畑などにするために重機を使ったとみられる地形の改変が多く、調査に苦労したという。それでも、後円部に相当する地形のほか、古墳時代の祭祀で供え物を載せたとされる土器の「器台」が出土するなどした。市教委は「出土した斜面は円弧を描く傾向があり、丸い地形だった可能性がある。夢が広がる内容だ」と説明した。

 当初は来年度までの5年間の調査だったが、昨年度からコロナ禍で十分な調査ができず、「調査にあと2、3年かかりそうだ」という。来年度は南東部を調べる予定。

 同遺跡は縄文時代から中世までの遺跡で、今回、縄文時代の「石冠(せっかん)」と言われる石器が、南陽市内では初めて出土した。石冠の用途は「不明」という。「西」の字が刻まれた平安時代の土器も出土し、当時の役人がいた可能性があるという。

 コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年度に続き、今年度も一般向けの現地説明会は開催しない。(石井力)