飲食店、生き残りの秘密兵器は…店長「生きるか死ぬか」

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 東京都で4度目の緊急事態宣言が始まり、飲食店には再び酒類の提供停止が要請され、提供しなくても営業は引き続き午後8時までとするよう求められた。だが、度重なる時短営業や酒類提供停止の要請に店側は疲弊。人出の抑制効果も徐々に薄れつつあるようだ。

 7月2日、午後8時。東京・銀座の雑居ビルにある居酒屋の男性店長は、通りに面した看板の電気を消した。外からは一見すると閉店しているように見えるが、店の中では客が酒を飲み続けている。その後も絶え間なく、なじみの客が入ってきた。

 2カ月弱続いた3度目の緊急事態宣言が解除され、午後7時までは酒の提供ができるとされてから2回目の金曜日だった。店は宣言期間中、休業していた。

 新型コロナが流行するまでは、場所柄、仕事終わりのクラブのホステスなどの利用が多く、明け方まで営業していた。そのため、酒の提供停止を求められた3度目の宣言下で、酒を出さずに営業を続けるという選択肢は無かった。店長の男性は「時短要請が午後7時でも8時でも、お酒を出せなきゃ同じ。論外ですよ」。

飲み歩く若者、頼りは「隠れ営業」リスト

 都の協力金や国の持続化給付金に申請し、従業員の生活を守るために雇用調整助成金にも申し込んだが、今年2月に申請した雇調金が振り込まれたのは4カ月後。ランニングコストがまかなえず、銀行から新たに借り入れ、テナントのオーナーには家賃を減額してもらった。店を閉めている間も「ウーバーイーツ」を利用したテイクアウト営業をしていたが、一晩の売り上げは多くて4万円ほど。赤字は膨らむばかりだった。

 これまでの度重なる時短要請には応じてきた。だが5月末に3度目の緊急事態宣言の延長が発表されたとき、「我慢の糸が切れた」(店長)。酒の提供停止要請が6月20日まで継続されることになり、「まわりの飲食店仲間はやむにやまれず、要請を無視した営業をするようになっていった」という。

 酒を出さずに営業していた店は酒を出すようになり、午後8時に閉めていた店も、入り口のシャッターを閉め、裏口から客を通して営業を続けるようになった。自分だけ店を閉めているのが、だんだんばからしくなってきた。

 宣言解除後は「隠れ営業」を…

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