高裁も認めた「黒い雨」の被爆 国の再検証は見通し不明

有料会員記事

米田優人 比嘉展玖、遠藤隆史
[PR]

 「黒い雨」に遭った人を被爆者と認める14日の広島高裁判決は、被爆者認定には、放射線の影響を受けた科学的合理性が必要だとする国の姿勢を指弾した。一審判決より広い救済の道が示され、援護対象区域を検証している検討会の議論に影響が出そうだ。

 「本来、被爆者として手帳を交付すべき人だったにもかかわらず、あえて交付しなかった疑いが強いといわざるをえない」

 広島高裁判決は、黒い雨を浴びたと訴える住民らを「線引き」してきた国の姿勢を真っ向から否定した。

黒い雨を巡り、国が被爆者認定に消極的なのはなぜなのか。広島県広島市が手帳を交付できないのはなぜなのか。記事の後半で解説します。

 被爆者援護法は、被爆者について、①原爆投下時に爆心地近くにいた人②原爆投下から2週間以内に爆心地近くに入った人③被爆者の救護にあたるなど、放射能の影響を受けるような事情があった人④被爆者の胎内にいた人――と定める。該当すれば被爆者健康手帳が交付され、医療費の自己負担がなくなり、各種手当も支給される。

 一方、黒い雨をめぐっては、国は降雨地域の一部の区域の住民について、特例として、健康診断を無料で受けられるようにし、がんなどの疾病にかかれば被爆者と認めてきた。

 高裁判決は、この区域の住民…

この記事は有料会員記事です。残り1866文字有料会員になると続きをお読みいただけます。