7月14日の高校野球 京都

吉村駿
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 全国高校野球選手権京都大会は14日、6試合が行われた。一昨年の覇者、立命館宇治は京都両洋に先制を許したが、6―5で逆転勝ち。今春の府大会準優勝の京都成章と京都文教の試合は延長10回、京都成章がサヨナラで制した。乙訓は2―1で北稜との投手戦を制し、龍谷大平安との3回戦に駒を進めた。

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 七回表、2点を追う京都文教1死三塁の好機。右打席に入る主将の井上陸大君に、林守監督は「練習通りにいけ」と声をかけた。

 初球、低めへの変化球に体がぴくりと反応するが、バットは止まった。2球目。外角の直球を右方向に狙い打った。打球は二塁手の頭上を越え、三塁走者の平山剛君が生還。1点差に迫る適時打に、スタンドが沸いた。

 徹底した打撃練習の成果が、実を結んだ打席だった。6月の抽選会で、好右腕、細見航矢君がいる京都成章との対戦が決まった。智弁和歌山和歌山市)を指導して、3度の日本一経験もある林監督は「狙い球をしぼらないと細見君は打てない。得意な外の球を狙おう」と指示。今大会屈指の好投手を想定した打撃練習が始まった。

 打撃マシンを外角の直球に設定し、踏み込んで強い打球を打つ。この練習を繰り返した。バットを振りながら、井上君は昨夏の独自大会を思い出していた。

 対戦した3校は、遅い変化球を得意とする投手が多かった。監督からの指示は「引きつけて逆方向」。先輩らが、きっちりと逆方向に狙いを定め、練習通りに打ち、ブロック優勝につなげた姿をベンチから見ていた。

 井上君は「林監督を信じてやれば、細見君でも攻略できるはず」。初戦から好投手と対戦することに最初は不安もあったが、やってきた練習を信じて、この試合に臨んでいた。

 井上君は九回にも、直球を狙い打ち、同点に追いつく適時打を放った。必死の追い上げも届かず、最後は延長戦の末に敗れた。だが、徹底した対策で好投手から2点を奪った。井上君は「これまでやってきたことを出せたのは満足。ただ、勝つためにやってきたので、最後はやっぱり勝ちたかった」と悔しさをにじませた。(吉村駿)