直木賞・佐藤究さん「執筆中、夢にうなされた」

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 「テスカトリポカ」(KADOKAWA)で第165回直木賞に決まった佐藤究(きわむ)さんの、受賞記者会見での主なやり取りは次の通り。

直木賞に決まった佐藤さんは77年、福岡市生まれ。04年に作家デビューし、直木賞の候補入りは初めてだった。受賞作はメキシコの古代アステカ文明から日本の川崎市までをつなぐ壮大なノワール小説。今年はこの作品で山本周五郎賞も受賞している。

 ――初ノミネートでの受賞、おめでとうございます。改めて受賞の心境を作品とからめて聞かせてください

 3年半かけてやっているあいだは、こういう大きい賞をとることは頭になかったので、何事もやってみないとわからないんだなという印象ですね、この作品に関しては。

 ――選考の経過のなかで犯罪を文学にすることに大激論が交わされたと。佐藤さんご自身は、どうして大犯罪を書かれるのか

 先生方のおっしゃるとおりの部分もありますし、作家それぞれということもある。ジョルジュ・バタイユとか三島由紀夫がやったような犯罪と芸術の蜜月は、ある程度決着がついているのかなと自分の中では思っていた。ただ、直木賞という社会的にもある意味大きい賞の中で是か非かと言われたら、僕だったら非ですよね。文学かどうかということに関してだと、ちょっと議論ができるところがあるのかなとは思いますね。

 ――福岡、地元へのメッセージをお願いします

 福岡には恩を返さないまま東京に出てきましたけど、ちょっとでも恩返しになったらいいな、と思いますね。

 ――直木賞に決まって、世の中の佐藤さんを見る目が大きく変わってくると思うのですが、その立ち位置の変化に対してはどのようにやっていこうと思いますか

 当然、立ち位置の変化はあるんでしょうが、我々小説家は、読者のみなさんの人生を変えるとまで言ったら大げさですけど、ちょっとでも、みなさんの生活に変化をもたらすことが仕事。賞をもらってこっちの見方が変わっているようでは手遅れというか、仕事になっていないわけですよね。僕自身は変えないとしか言いようがない。僕自身の人生がどう変わるかではなく、読者のみなさんの一日にちょっとした変化をもたらす、それをやりなさい、ということなのかな、と受け取っています。

 ――以前、賞を意識したらこ…

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