「早く避難を」生放送の曲止めたFM局 スタッフも被災

鎌田悠
[PR]

 静岡県熱海市で起きた土石流災害以降、地元のコミュニティーFM局、エフエム熱海湯河原「Ciao!(チャオ)」が奮闘している。スタッフの自宅なども被災する中、災害時に必要な情報を届けようとスタッフ総出で発信を続ける。

 「家族から連絡がありました。伊豆山岸谷付近、土砂災害でかなりの被害が出ているようです。おうちが流されている状況もあるということです。お住まいの方はできるだけ早く避難をお願いします!」

 3日午前11時31分。パーソナリティー岩本尚美さん(51)が、生放送番組「サテライトステーション796」で流していた曲を中断して呼びかけた。

 岩本さん宅があるのは、大きな被害をうけた伊豆山地区。自宅は被害をうけたが、家族は無事だった。スマートフォンに送られてきた動画には、土砂が家々を襲いながら流れる様子が映っていた。

 この日を境に、同局は放送予定を変更し、災害関連情報の発信を続けている。断水に伴う給水所の場所、被害を受けた道路の復旧見通し、バスの運行情報など、被災者がすぐに必要とする情報に気を配る。

 以前、音楽番組などを担当した志村信彦さん(40)はパーソナリティーとして応援に駆けつけた。

 伊豆山地区の自宅1階が土砂に埋まり、2階に妻(39)と長女(4)が一時取り残された。今は避難生活を送る。早めの避難などをしてもらうために「多くの人に伝えたい」と家族の体験をラジオで語った。

 約20人のスタッフを束ねる同社専務の山崎浩一さん(52)は「地元に役立つ情報を届けるのが、私たちの使命。災害のときこそやらなければという気持ち」。(鎌田悠)