「デジタルユーロ」の実現に向け ECB本格調査へ

ロンドン=和気真也
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 欧州中央銀行(ECB)は14日、中銀デジタル通貨(CBDC)「デジタルユーロ」の実現に向け、本格的な準備計画を開始すると発表した。今後2年を「調査段階」と位置づけ、設計や流通方法を検証する。最終的に発行するかどうかは今後、慎重に判断する。

 ECBはこれまでに、実験段階として産学の協力を得て技術的課題などを検証してきたが、さらに本格的な調査を進める。ラガルド総裁は声明で「デジタル時代の市民と企業が、引き続き最も安全な通貨である中銀通貨にアクセスできるようにする」と述べた。

 ECBはデジタルユーロについて、欧州市民の使い勝手を重視しつつ、不法行為や、金融の安定を脅かすことがないよう慎重に進める姿勢を強調。現金に取って代わるのではなく、補完する存在であることも改めて確認した。

 CBDCは、先行する中国が22年の発行へ準備中。スウェーデンでは試験運用が進んでおり、日本銀行も4月に実証実験を始めた。慎重だった米国も今夏から本格的な議論に入る。(ロンドン=和気真也)