町に1軒もないから…ラーメン専門店「急募」 予想以上の反響に悲鳴

池田拓哉
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 ラーメン専門店が町内に1軒もない栃木県茂木町が出店を呼びかけ、全国から熱い視線が注がれている。SNSで町の「急募」の告知が拡散し、町が用意した空き店舗に下見希望者が相次いでいる。

 「茂木町にはラーメン屋が1軒もありません。ラーメン好きは日々の楽しみを失い、仕事が手につかない人もいるとか…。そこで、このような人々を救うため、町内でラーメン屋を始める方を募集します」

 切実な思いをつづった募集告知は6月下旬、町の公式ツイッターなどから全国に拡散した。FMヨコハマ(横浜市)のDJもツイートし、大きな反響を呼んだ。

 ツイッターの閲覧数は3万2千超。「仕掛け人」の町商工観光課の滝田隆課長(53)は「小さな町の情報がこんなにバズるなんて、だんだん怖くなってきました」と、うれしい悲鳴をあげる。

 町は役場近くの元居酒屋の空き店舗を準備。55歳以下の人を対象に出店を募っている。家賃は2年間、月6万円を1万円に値下げする。開店費用は150万円を上限に半分を町が補助する。金土日を含む週5回以上は店を開け、1日6時間以上の営業が条件だ。

 遠くは福岡からも問い合わせがあり、空き店舗の内覧予定はすでに8件決まった。東京からの希望者が半分という。反応もよいため、町は募集期限を当初の8月末から7月末に前倒しした。

 町によると、5年ほど前に最後のラーメン専門店が閉店したという。ただ、専門店はないが、そば店や食堂がラーメンも提供し、「道の駅もてぎ」でも「ゆず塩らーめん」が人気を集めている。

 なぜ専門店にこだわるのか。ラーメンを食べるため週2回は町外に遠征している滝田課長は「その店ならではの究極の味で、命をかけて勝負する姿が専門店ならではの醍醐(だいご)味なんです」と熱く語る。

 茂木町は人口約1万1千人。65歳以上の町民が4割を超える。町役場周辺の商店街は昼間でもシャッターを下ろした店が目立つ。「町外の人たちを呼び込みたい。おいしいラーメンを食べた後は町内のお店やツインリンクもてぎ、道の駅にも立ち寄ってもらいたい。町内に消費を生み出したいんです」(池田拓哉)