山上に鎮座する火伏せの神様 光秀も本能寺直前に参拝

久保智祥
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お参りノート

愛宕神社京都府

 火伏せの神様として、家庭や店舗に貼られた「火迺要慎(ひのようじん)」のお札でもおなじみの愛宕神社(あたごじんじゃ)は、全国に約900社ある愛宕神社の総本宮。愛宕山(924メートル)の山頂に鎮座するゆえ、お参りするには登るしかない。きつい坂道を息を切らし登った山上には霊峰にふさわしい厳かな空気が満ちていた。

 8世紀ごろ修験道場として開創されたと伝わる。中世には、神仏習合によりまつられた勝軍地蔵が武家の信仰を集めた。本能寺の変の前に明智光秀も参り、山上での連歌会で「ときは今」と詠んだのは有名だ。

 江戸時代には火伏せを願う庶民の信仰を集め、「お伊勢七度、熊野へ三度、愛宕さんへは月参り」と謡われるほど。現代でも、7月31日夜~8月1日早朝に参ると千日分の御利益があるとされる千日詣(せんにちまいり)は数万人の参拝があるが、今年もコロナ対策で7月23日~8月1日の午前9時~午後4時に変更され、夜間のお札の授与はない。それでも、丙午(ひのえうま)の2026年に向け、本殿の屋根ふき替えなどの式年造替に多くの奉賛が寄せられることに高松利行宮司(54)は「生活に根ざした信仰が今も息づいているのを感じます」と話す。(久保智祥)

 《メモ》 京都市右京区嵯峨愛宕町、電話075・861・0658。京都バス「清滝」下車、登り約2時間。日没までに下山を。