光を再び 祖国を思う在日ミャンマー人の怒りと祈り

伊藤進之介
【動画】怒りと祈り 在日ミャンマー人の叫び=伊藤進之介撮影
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 2月1日に祖国でクーデターが発生して以来、在日ミャンマー人たちは軍に抗議し、国際社会に支援を求めて声を上げている。デモ参加者の多くは20代から30代の若者。フェイスブックで週末のデモや募金活動を告知し、仲間を募って都内を中心に運動を続ける。

 東京・高田馬場で暮らすチョウチョウソーさん(58)は、1988年の「8888民主化運動」に当時25歳で参加。91年に日本に亡命した。「私たちはリミテッド。彼ら若者はアンリミテッド。簡単には諦めない」

 国際社会から閉ざされた「ビルマ式社会主義」体制下のヤンゴンで育ったチョウさんらの世代に対し、若者たちは2011年の民政移管前後の民主化の過程で、「光を見いだした」実体験がある。「だからこそ自由を奪われた怒りは強いし、民主主義を取り戻せば、彼らの未来の可能性に際限はない」

 技能実習生として横浜市の弁当屋で働き、デモにも参加するヌエヌエソーさん(29)は、来年には帰国の予定だった。「私の将来のために、軍に抗議し民主化を求める。私にできることを続ける」と決意を語る。

 統計によると、在日ミャンマー人約3万5千人(昨年末)のうち、20代が半数以上を占める。料理店を営むチョウさんのもとにはコロナ禍で職を失った若者が集まった。「少ない給料から寄付したり、休日にデモをしたり、ビルマの政治や歴史を学びながら、それぞれ厳しい生活の中で考えて行動している」

 6月、国連総会(193カ国)が、軍に武器が行き渡らないよう、加盟国に協力を求める決議を採択した。中国、ロシア、タイ、カンボジアなどが棄権したが、119カ国が賛成した。国会は民主的な政治体制の早期回復を求める決議を採択。参院は政府に、被害を受けた少数民族や避難民に対する緊急支援も要請した。

 国際社会はミャンマーの民主化を支援する動きを進めるが、チョウさんは「この革命はいつ終わるか想像もつかない。運動を続ける若者の支援を続けたい。デモや募金活動を見かけたら、3本の指を掲げるだけでもいい。日本の市民にも、できることから協力してほしい」と話す。(伊藤進之介)