私の予想は当たらない…が 映画祭の賞事情、カンヌは?
編集委員・石飛徳樹
濱口監督の最高賞を期待する理由 編集委員・石飛徳樹
カンヌ国際映画祭の授賞式が近づいてきた。今年は日本から濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が参加している。これは古典の風格を感じさせる傑作だ。現地の評判もすこぶる良い。日本にいる私は他の23本を全く見ていないが、最高賞パルムドールを取ると断言したい気分になっている。
問題は、私の予想が一度も当たったことがないということである。
昨日今日の話ではなく、2001年に初めてベネチア国際映画祭に行って以来、3大国際映画祭には幾度となく出掛けているが、私の予想は常にかすりもしない。授賞式が迫ると、デスクや同僚記者から日本映画の受賞の可能性を聞かれるのだが、最近は全く信用されていない。
もちろん、私に映画を見る目がないということもあるだろう。しかし、言い訳めいているが、それだけではないのだ。現に米アカデミー賞の予想はそれなりの確率で当たっている。
それは、映画祭の賞の選び方に原因がある。
カンヌに限らず映画祭という…
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