アコヤガイが大量死、愛媛で今年も 病原体の特定できず

伊東邦昭
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 2019年から相次いでいる宇和海での真珠養殖用アコヤガイの大量死が、今年も確認された。愛媛県漁協や県、沿岸3市町などの関係機関でつくるアコヤガイへい死対策協議会は今月6日、検討会を開いて今後の対応を協議した。

 県水産研究センターによると、今年1~3月ごろに生まれたアコヤガイの稚貝について6月上旬に調べたところ、宇和島市愛南町沖の宇和海中部から南部の一部地区で死んでいるのを確認。被害はその後、中南部全域に拡大した。

 死んだ貝の割合は同一地区でもばらつきがあるものの、今月1日の調査では、高いところで50~90%に上った。生きている貝でも、貝殻の真珠層の変色や身の萎縮が見られた。また、昨年生まれの貝では、宇和海南部で栄養状態の悪い貝が確認されたという。

 検討会で、県は大量死の原因について、感染性の病原体が引き金になっている可能性が高いものの病原体の特定には至っていないと報告。関係者から稚貝の緊急生産に乗り出していることも報告された。愛南町が約230万個、県が約200万個を生産予定で、県漁協下灘支所も緊急生産に着手したという。

 協議会会長の平井義則・県漁協組合長は検討会後、取材に対して「病原体が分かったとしても特効薬がすぐに出来るわけではない。1、2年では回復しないのではないかと危機感を抱いている」と話した。(伊東邦昭)