不動産ブームに沸く英国の田舎町 在宅勤務も後押し

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和気真也=ロンドン、野島淳=ベルリン、木村聡史
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 コロナ禍にもかかわらず、世界の住宅価格が高騰している。未曽有の金融緩和であふれたマネーが、株や住宅などの資産に流れ込んでいるからだ。一方で、賃金の伸びは鈍く、人々が安心して住める家が手に入りにくい問題も各国で生じている。(和気真也=ロンドン、野島淳=ベルリン、木村聡史)

わけ・しんや 1979年生まれ。経済部、グローブ編集部などを経て欧州総局員。ロックダウン中は家近くのサッカー場を走った。

 ハチミツ色と称される黄色がかったれんがの壁の家が並んでいた。庭に咲くバラが夏の日差しを受けて輝いている。ロンドンから西へ車を走らせ約2時間。コッツウォルズは、古い街並みと自然豊かな景観が同居する英国の田舎町だ。

 2006年の米映画では、キャメロン・ディアス演じる米国人経営者とジュード・ロウ扮する英国人男性の淡い恋を描いたラブコメディーのロケ地の一部にもなった。映画の名は「ホリデイ」。ゆったり時間が流れる街は、都会暮らしで疲れた心を癒やす英国を代表する保養地でもある。

 そんな町に近年、住みたい人が増え、住宅価格が急騰している。

 「市場に出したそばから売れていく。いまは在庫切れの状態ですよ」。大手不動産会社「サビルズ」の地域担当、セバスチャン・ヒップウッドさんは話す。地域の住宅の平均相場は65万ポンド(約1億円)だが、直近で出した300万ポンド(約4・5億円)の家には国内外から70件の問い合わせがあり、2週間で買い手が決まった。

 居間や客間はもちろん、寝室六つに五つの浴室、書斎や納屋を備えた豪邸は、小川が流れて魚釣りもできる広大な庭がつく。「この金額ならロンドンでも豪邸に住めるが、部屋数も庭の広さも比べものにならないだろう」とヒップウッドさんは話す。

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英国のコッツウォルズの家

 購入者はロンドンの金融街シ…

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