春Vの千葉学芸、4回戦敗退 高校70HRの強打者も涙

竹中美貴
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(15日、高校野球千葉大会4回戦 千葉黎明8-6千葉学芸)

 大会屈指の強打者の夏が、早くも終わった。

 九回表2死一塁で千葉学芸の有薗直輝選手(3年)が打席に入った。6点差を追う展開だった。「チームのために何としても打ちたい」。2球目のスライダーにバットを振り抜く。打球は右前に達し、好機を広げた。

 この安打にチームは活気づく。続く4番・板倉颯汰選手(同)の適時打で1点を返すと、その後も連打などで2点差まで詰め寄った。しかし、最後の打者が一直に打ち取られ、反撃はついえた。

 有薗選手は中学から持ち前のパワーが光り、1年から4番を打った。「主軸としての責任感と引っ張っていく気持ち」で高校でも長打力に磨きを掛けた。今春の県大会では本塁打を放って初優勝に貢献した。

 強打者として存在感が増すほど、相手チームの警戒も招いた。敬遠対策として今春からは4番に強打の板倉選手を据え、有薗選手は3番打者となった。

 直前に高校通算70号を放つなど調子を上げて臨んだ今大会。だが、あまりバットを振らせてもらえず、3番打者としてつなぎ役に徹せざるを得なくなった。初戦は3四球。チームが計20安打を放つ中、有薗選手はわずか1安打。2戦目も1安打だった。

 この試合も、一回に初球を捉えて左前安打を放ったが、三回には三振。五回無死一塁でも三ゴロに倒れるなど、得意の快音を響かせることはできなかった。

 高倉伸介監督は「有薗は打ちたい場面でもボール球に手を出さず、我慢してくれた。甲子園で、良い投手と対戦させてあげたかった」。有薗選手は「打撃でチームに貢献できなかった。自分が引っ張っていけずに申し訳ない」。大会屈指のスラッガーは、大粒の汗と、涙をぬぐった。(竹中美貴)