4度の甲子園→大学中退も「挫折じゃない」と言える理由

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 この選手の活躍に、記者として自らの浅はかさと純粋なうれしさが交錯する。言葉を選ばずに言えば、私は4年前、「野球選手として、彼は終わった」と思った。

 プロ野球・西武の外野手、岸潤一郎(24)のことだ。

 2年目の今季、6月1日の巨人戦でプロ初安打となる本塁打を放つと、先発で出場する機会も増えた。

 「チャンスをつかみたい」。打率は2割台。毎打席が勝負の日々を送る。まさに「これから」の選手だ。それなのに私は……。

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 高校野球ファンであれば、その名を知らない人はいないだろう。

 岸は甲子園のスターだった。高知・明徳義塾高では1年生の夏から4番打者。2年生で「エースで4番」になり、3年生では「主将」の肩書も加わった。

 計4度の甲子園出場。2014年夏は岡本和真(巨人)がいる奈良・智弁学園を圧倒した。日本一こそならなかったが、全国で最も有名な球児だった。

 「岸が野球も大学もやめた」と聞いたのはそれから約3年後、17年秋だった。その冬、機会があって彼を取材させてもらった。

 大学で右ひじを痛めて手術を…

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