入院できず「こぼれ落ちた命」 自宅で迫り来る死の恐怖

有料会員記事

堀之内健史、熊井洋美
[PR]

 「お願いです。病院の廊下の片隅でいいから、息子をなんとか入院させて」

 4月下旬、神戸市の30代男性の母親は、市の依頼でコロナ患者の自宅を回る訪問看護師の藤田愛さん(55)に、懇願した。

 男性は持病があり、前日に肺炎の診断も受けていたが、病床が空いておらず入院できなかった。

「助かる命が病院のベッドの上にさえ上がれず、こぼれ落ちていった」

 40度台の高熱が続き、呼吸数も少ない。救急車を呼んでも、受け入れ先はなかった。

 「ここまでの重症でも入院できないなんて、何かの間違いか、現実ではないとしか思えない」

 藤田さんは区の保健センターに男性の容体を伝え、「今夜にも死にます」と訴えた。

この春の「第4波」で、新型コロナウイルスの変異株の感染が一気に広がりました。病床が足りなくなった地域もあり、多くの人が自宅や宿泊療養施設で亡くなりました。

 その日のうちに入院できたが…

この記事は有料会員記事です。残り874文字有料会員になると続きをお読みいただけます。