【動画】ワクチン接種から取り残された高齢者を個別訪問して接種する医師=松尾一郎撮影
高齢者向けの新型コロナウイルスワクチン接種が「7月末完了」を目指して進む中、病気などで移動がままならない人の接種が遅れがちになっている。接種を担う医師は現状に警鐘を鳴らし、札幌市は近く実態調査に乗り出す。
札幌市内に住む女性(86)は約20年前に大けがを負い、その後入退院を繰り返して今は自宅で療養している。ほぼベッドに寝たきりの状態になって胃ろうで栄養を取り、夫(88)が介助している。
コロナワクチンの接種に出かけることもできず困っていた夫婦を訪れたのは、地域で内科医院を経営する鈴木岳医師(55)。鈴木医師は、接種券の保管場所がわからなくなったという夫とともに探し、確認後に接種を終えた。夫は「私は外に買い物に行くし、孫も来る。感染が心配だったが、どこで接種していいかわからなかった。先生に打ちに来てもらえてよかった」とホッとした表情で話した。
別の訪問先では、脳の神経細胞が減少する難病「進行性核上性まひ」の男性(83)を妻(82)が介護していた。移動だけでなく、会話や食事も困難で、栄養は胃ろうでとる。外出してワクチンを接種することは不可能だった。
鈴木医師は地域密着型の医療…

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