子どもの居場所、コロナ下こそ 夢パークを「守りたい」

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上野創
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ウォータースライダーのそばで遊ぶ近所の子どもたち=2021年7月7日午後、川崎市子ども夢パーク、上野創撮影
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 井戸水が流れるスロープを、ずぶぬれの子どもたちが滑り降りて派手に水しぶきを上げる。ぬかるみで泥にまみれる子、小屋の屋根からマットに飛び降りる子、うちわを手にたき火の炎に夢中な子……。

 太陽が照りつけ、気温が30度を超えた7月10日の土曜日。屋外のプレーパークを中心に多種多様な遊びを楽しめる「川崎市子ども夢パーク」には、子どもと親が次々と訪れ、歓声が響いていた。

 「大勢の子どもが来て、思いきり遊んでくれるのはうれしい。ただ不安は常に感じています」。夢パーク所長で、運営する認定NPO法人「フリースペースたまりば」事務局長の友兼大輔さん(41)は、新型コロナウイルス感染防止策の話をしながらそう語った。

「行き場ない子いる」 閉めない決断

 夢パークは20年前の2001年に施行された「川崎市子どもの権利条例」に基づき、条文にもある「子どもの居場所」として市が開設した。2階建ての建物の一画には学校になじめない子が通う「フリースペースえん」があり、ここも「たまりば」が指定管理者として運営する。18年にわたって「子どもが安心して遊び、休める場」を提供してきたが、昨春の感染拡大時は一時閉鎖の可能性もあった。

 一斉休校に続き、市内外で多くの公的な行事が中止に。図書館なども次々と閉鎖され、公園の遊具は使えなくなった。緊急事態宣言も出たが、夢パークと「えん」は開所時間を短くし、開け続けた。

 「行き場がない子のために今こそ必要ですと訴え、市側と協議して、閉めないと早々に決まったんです」と、「たまりば」理事長の西野博之さん(61)は話す。

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しなる板を支えてもらって登る遊びを考案。年齢の異なる子どもたちが楽しそうに交わっていた=2021年7月14日午後、川崎市夢パーク、上野創撮影
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顕微鏡をのぞく子どもに声をかける西野博之さん(中央)=2021年7月7日午後、川崎市のフリースペースえん、上野創撮影

 初の緊急事態宣言が出ていた昨年5月。記者は夢パークで、ホースの水をかけあってはしゃぐ小学4年の姉と幼稚園年長の弟に会った。自転車で15分かけて来たという母親は「家の近くにも公園はあるけど、こんなときに外遊びか、という周りの視線が気になる。夫はオンライン会議でピリピリしていて、子どもたちもずっと家でつらそうだったから、ここへ連れてきて良かった」と話した。

 当時、西野さんが心配したのは家庭で高まるこうした緊張感だった。子どもがずっと家から出ず、夫も在宅になり、行き詰まった母親から「子どもに手をあげてしまいそう」という電話も受けた。

 発達がゆっくりという別の子…

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