コメ先物 恒久化へ本上場申請 大阪堂島商取

筒井竜平、高木真也
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 国内で唯一、コメの先物取引を扱う大阪堂島商品取引所が16日、恒久的に取引できる「本上場」の認可を国に申請したと発表した。これまでは取引量の少なさなどから、期間限定の試験的な上場の延長を繰り返してきたが、本上場が認められなければ上場廃止になる可能性もある。江戸時代に起源を持つ大阪のコメ先物取引が存続できるかどうか、正念場を迎える。

 コメの先物取引は、商品を実際に渡す最長1年前の時点で、価格を決めて取引する。豊作や凶作で値段が大きく動いても、事前に決めた価格で売買できるため、うまく使えば農家や仕入れ業者が価格変動のリスクを抑えることができる。

 本上場を認めるかどうかは、農林水産省が審査する。十分な取引量が見込めるかどうかや、コメの流通を円滑にするために適当かどうかなどを調べたうえで、8月7日の期限までに判断する予定だ。

 その判断を大きく左右するのが取引量。前回、試験上場の期限を迎えた2019年は取引量が少なく、本上場の申請を断念した経緯がある。このため、同取引所では、投資家や生産農家に参加を促す営業を強化。取引量は前回の試験上場期間と比べ、約3倍に伸びている。先月28日の株主総会後に会見した同取引所の中塚一宏社長は「コメの生産に直接関わる人の参加も増えてきている」と手応えを強調した。

 ただ、コメの流通量の約4割を握る農協を束ねる全国農業協同組合中央会(JA全中)や自民党の農林族議員の間では、本上場に慎重な意見が根強く、農水省の判断に影響する可能性がある。農協は小規模農家が作ったコメの委託販売を引き受けた際に農家に支払う金額を決めてきた。先物市場が活性化することで、価格決定権が弱まることへの警戒心がある。自民党の農林族の間には「主食のコメを投機の対象にするべきではない」との声があり、衆院選を控え、反対論が加速する可能性もある。

 大阪・堂島は、江戸中期の1730年に幕府の公認を受けてコメ先物取引が始まり、「世界の先物発祥の地」として知られる。戦時下の1939年に廃止されたが、民主党政権下の2011年、同取引所の前身の関西商品取引所で期限付きの試験上場が認められた。

 だが、本上場ができないまま、試験上場の延長を繰り返し、4回目の延長をした19年、自民党から「これ以上の延長は制度の趣旨に沿わない」との申し入れがあった。それだけに、今回が最後のチャンスとの見方もあり、結果が注目される。(筒井竜平、高木真也)