「焦ることなく」照ノ富士 13連勝で横綱昇進有力に 

小俣勇貴
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 大相撲名古屋場所13日目の16日、大関照ノ富士が13連勝し、横綱昇進を有力にした。

 大関同士の一戦。照ノ富士は、勝ち越しをかける正代に立ち合いから攻められた。右からすくわれ、土俵際へ。左足だけで耐える姿に観客から悲鳴が漏れた。

 ただ、最近の照ノ富士は慌てない。両ひざのけがを乗り越えて幕内に復帰したのが、1年前の7月場所。そこから優勝を積み重ねるうち、取り口には余裕が出てきた。

 まずしっかり両足をついた。そして前傾姿勢に。

 反撃開始はそこからだ。前に出て、土俵の反対側へ正代を押し出した。

 幕内復帰後の平均勝利数は、途中休場の場所を除く5場所で12を上回る。今場所は、無傷のままだ。

 安定感があるのは、白星の数だけではない。「相手を見ながら大事にとれている。かなり今までと違う」と師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)。本人も「焦ることなくやろうと思っていた」と、土俵での冷静さを実感している。

 念願が見えてきた。番付を編成する審判部の部長でもある伊勢ケ浜親方は弟子の横綱昇進について、「今の時点で(優勝)次点は決まっている。優勝するにこしたことはないが、成績的には十分満たしている」と前向きな見解を示した。

 白鵬も無敗。15日制度が定着した1949年夏場所以降、2人が全勝で13日目を終えるのは13度目だ。

 まれに見る緊迫した状況に、「場所を無事に終わらすことしか考えていない」と照ノ富士。文句なしの昇進へ。ほしい賜杯(しはい)の行方は楽日に決まる。小俣勇貴

 ○白鵬 「勝っちゃいましたね。体が動いていますね。(とったりの)タイミングがよかった」。初日から13連勝は全勝優勝した2019年春場所以来。

 ○玉鷲 通算連続出場が歴代6位に並んだが、いつも通り、誇らず。「自分の相撲を取って、お客さんを喜ばせる。それが一番かなと思います」

 ●宇良 反り技などで盛り上げたが、マゲつかみで反則負け。「自分の中で負けた感覚がない。(負けても)切り替えなくてもいいのかなと」

 ○幕下・北青鵬(ほくせいほう) 序ノ口、序二段、三段目で優勝している白鵬の弟弟子が幕下も制す。「夢は横綱。次の目標である新入幕に行けるように頑張ります」