「大沼ワルツ」コロナ禍に元気を 22日に函館で朗読会

阿部浩明
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 北海道南部・道南ゆかりの小説を味わう朗読会「函館朗読紀行」が22日、函館市中央図書館で開かれる。取り上げる作品は、札幌市出身の作家谷村志穂さんの「大沼ワルツ」。奇跡のような3夫婦が紡ぐ物語が、コロナ禍の中の人たちに元気を届ける。

 「大沼ワルツ」は、道南の景勝地・大沼がおもな舞台。北海道駒ケ岳の裾野に広がる、厳しくも美しい土地の開拓に入った3兄弟のもとに、山梨から3姉妹が順繰りに嫁いできて、知恵と思いやりでさまざまな困難を乗り越えていく。

 にわかに信じがたいような3組の夫婦の物語だが、「大沼のハイカラで自由な風にひかれてやってきた3姉妹と、その家族の実話を基に書きました」(谷村さん)。

 主催する函館朗読奉仕会の船矢美幸会長は、作品を取り上げる理由を「大沼の美しさをアピールしつつ、たくましく生き抜いた大家族の姿が、コロナ禍の世の中に明るいメッセージになってほしい」と話す。

 約20人が登場人物ごとに読み分ける「群読」で、作品の世界を立体的に浮かび上がらせる。3兄弟の役として函館の落語家ら男性3人が賛助出演し、「大沼弁」を披露。背景のスクリーンには、大沼の雄大な自然や異国情緒ただよう函館の風景などを映し出し、臨場感を醸し出す。

 谷村さんは「土地の言葉や会話に息吹を吹き込んで、思い思いに読んでもらえたらうれしい」と期待している。午後1時半開演。入場無料。人数は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため85人に限定する。問い合わせは函館朗読奉仕会の今井さん(0138・57・6008)へ。(阿部浩明)