校舎裏の畑を「共創学」の場に 北海道の視覚障害施設

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三木一哉
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 校舎裏の小さな畑を学校改革の入り口に――。北海道函館市視覚障害者教育施設、国立函館視力障害センターが、教師と学生の壁を取り払う学びの場として「畑」に取り組んでいる。こうした試みを、専門家も「共創学」の実践として注目する。

 センターは、視覚障害者の自立訓練や就労支援をする施設。もともと傷病軍人の社会復帰や、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師として就労するための国家試験合格を目指す技能教育の施設「光明寮」として設けられた歴史がある。

 「畑づくり」は学生と教師の交流と協働の場をつくるねらいで、センターの舘田美保・教務課長が今年4月、教師や学生に呼びかけて始めた。センターの裏庭を耕し、ズッキーニやミニトマトなどを植えた。

 センターには、3年制のはり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の養成コースと、後天的に視力障害を持った人に点字や白杖(はくじょう)の使い方といった生活の基本技能を教える不定期・随時のコースがある。学生の大半は、子どものころには視力にあまり問題がなかった人たちだ。

 はり師などの養成コースは、各学年20人、計60人の定員に対し、在籍者はわずか7人。舘田課長は「地域にセンターが知られておらず、視覚障害者の潜在的なニーズに私たちの仕事が届いていない」と悩んでいた。

 畑や作物は学生と教師の間の共通の話題となった。学生や教師も畑仕事では素人同士だ。「取り組める作業も異なり、視力障害の重い学生にとっては、農作業は未知の動作と経験だったが、相手の個性や能力を理解しあいながら、対等の人間としてつきあえた」(舘田課長)

 6月12日、センターと全国…

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