監督は「第二の父」、実家でバイトも 唯一の3年生奮起

佐野楓
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(16日 高校野球北北海道大会 稚内大谷10-3別海)

 悲願の北大会初出場を果たした別海。たった1人の3年生でエースの鎌田拓寿主将が、懸命な戦いぶりを見せた。

 六回表、無死満塁のピンチ。「ここまでお前が頑張ったんだから、最後はお前がマウンドに立て」。途中で降板し遊撃の守備についていたが、島影隆啓監督からの伝令を受けて再び登板した。得意のカットボールで3人を打ち取り、ピンチを切り抜けた。

 初出場の道のりには多くの苦労があった。チームは昨秋の地区大会で武修館に大敗。「勝てないチームで野球を続けたくない」と、鎌田主将の同級生2人が部を去り、ひとりで下級生をまとめることになった。

 それでも部をやめなかったのは、島影監督の存在があったからだ。鎌田主将が少年野球チームに所属していたころ、島影監督がチームのコーチに就任。野球の基本を教わった。

 島影監督が別海の監督に就任すると、鎌田主将も「監督がいる学校で野球がしたい」と進学。入部後の冬休みは、監督の実家のコンビニエンスストアでアルバイトをした。夜遅くまで野球部を指導してくれる監督の姿に、「第二の父さんだ」と思った。

 試合後、島影監督は「1人でよくここまで頑張った。お疲れさんと言いたい」。鎌田主将は「力を発揮しきれなかったけれど、ここまで一緒に来られて楽しかった」と話した。(佐野楓)