今回は「本物」の本塁打 兄のため、再試合でも放った

玉木祥子
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(16日 高校野球山梨大会 都留6-5市川・青洲・増穂商)

 一回裏、一番打者として打席に立った。なんとしてでも打って流れを引き寄せようと初球を振り抜いた。打球はぐんぐん伸びて本塁打に。13日の試合でも本塁打を放っていたが、雷のためノーゲームとなり、公式記録にはならなかった。今回は「本物」の本塁打だ。

 チームは勢いに乗った。八回まで5―3でリードし、このまま勝負が決まるかに見えた。だが、九回で逆転された。その裏の攻撃でも打席に立ったが、放った打球は三ゴロに終わり、最後の打者となった。

 本塁打を打ったものの、最後の打席でもう1本が出ず、反撃できなかった。捕手としても、市川のエース渡辺大翔投手(3年)の球を受け、球に込められた勝利への強い思いを感じた。「3年生のために、そして兄のために勝ちたかった」と涙を流した。

 青洲に入ったのは兄と一緒に野球がしたかったからだ。市川にいた兄悠介さんが主将として峡南も含む連合チームを率いて、昨夏の独自大会に出場。兄とともにベンチ入りし、初戦で敗れた。「まだお前にはチャンスがあるから強くなれ」。その言葉を胸に練習してきた。

 今は2年生。次は自分たちがチームを引っ張る番だ。学校再編のため、過去に甲子園出場した市川と峡南、県ベスト4になった増穂商の伝統を引き継ぎ、次の大会からは「青洲」として出場する。「3校の歴史と先輩たちの思いを受け継いでいきたい」(玉木祥子)