髪なびかせる野球部の助っ人 さえわたった落下地点の勘

谷瞳児
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(16日、高校野球香川大会 高松南10-3飯山)

 打球を追う度に帽子が落ち、黒髪が風になびいた。一回裏、高松南の先頭打者の打球は左中間へ。飯山の中堅手の入江真士君(3年)は俊足を飛ばしたが、届かず、二塁打となった。「もう少し回り込んでいれば捕れた」と悔しがった。

 入江君はサッカー部からの「助っ人」選手。昨春、部員不足に悩む野球部から勧誘された。同じグラウンドで練習する野球部員の頑張りは肌で感じていた。「夜遅くまで一生懸命やっていた。自分が何か力になれるのであれば」と快諾。昨夏の独自大会に出場した。

 この夏も女子部員の三原花穏さん(1年)を除き、大会に出場できる部員が7人。サッカー部の練習のない土日など、できる限り野球部の練習に参加し続けた。野球の経験はなかったが、サッカーやバスケットボールの経験から打球の落下地点をつかむのは得意で、外野手を任された。

 大会前の練習試合で右足首を捻挫した痛みを抱えながら、この試合でも3度の守備機会で無難に捕球。9番に入った打撃は3打数3三振と振るわなかったが、大山剛毅監督は「助っ人がいなければ試合に出られなかったし、たくさんアウトを取ってくれた。感謝しかありません」と目を細めた。

 チームは五回に1点差に迫る奮闘を見せたものの、8回コールド負け。昨夏は5回コールドで敗れたのに比べ、少しだけ長く試合ができた。入江君は「楽しかった。助っ人をやれてよかった」と爽やかに笑った。(谷瞳児)