東京オリンピック(五輪)の海外選手団の来日がピークを迎え、連日数百人規模の入国が続いている。新型コロナ対策の鍵を握るのが、選手団や大会関係者、報道関係者らの行動を規制する「プレーブック」だが、ルール違反が相次いで指摘され、ほころびが見え始めている。規制について「厳しい」「緩すぎる」という相反する批判も上がっている。五輪は感染爆発の引き金になってしまうのか。
15日夕、東京都江東区のメディア拠点「メインプレスセンター(MPC)」などが入る東京ビッグサイトの近くのホテルから、20代と40代の米国人男性2人が出てきた。自動販売機で購入したという缶ビールを手に近くのベンチに座り、飲んでいる時以外はマスクをつけて話をしていた。いずれもIT関連の技術者で、大会のスコアシステムの管理などを担う予定という。
大会関係者やメディアと同様、技術者も選手と外部の接触を遮断する「バブル」に出入りするため、プレーブックが適用される。
2人はこの日、日本に到着したばかり。最初の14日間、移動は規制されているが、ホテル周辺は出歩いていいという認識だという。2人とも、ワクチンは接種済み。「日本では多くの人がまだワクチンを打ってないというのは本当か」。米国では「周りの人は誰もマスクをしていない」という。東京で緊急事態宣言が発出されていることについては知らなかった。
2人は勤務先から配られたプレーブックをスマートフォンで読んだという。ルールに従い、感染者接触通知アプリ「COCOA(ココア)」や五輪関係者向けアプリ「OCHA」もダウンロード済み。「日本のルールを尊重し、従うことを信じてほしい」
メディア側「ワクチン受けた。厳しすぎる」選手側「隔離が不十分」
この日の夕食は、ホテルから…
- 【解説】
ある競技を現地担当する組織委関係者に聞くと、IF(国際競技連盟)もNOC(各国の五輪委員会)も選手も、同じ顔触れで何十年もやっているし、何度も国際大会があって、そのたびに顔を合わせているので、ムラ社会のルールでやっていればうまくいくと思って
- 【視点】
バブル方式のようなセキュリティー措置は、大きな国際会議でもよく導入されます。常時所持が義務づけられる顔写真入りのIDカードに記された記号で、立ち入ることができる場所が区分けされる。政府の要人などが活動するエリアの出入り口にはゲートが設けられ

新型コロナウイルス最新情報
最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[もっと見る]