カンヌ映画祭「ドライブ・マイ・カー」濱口監督ら脚本賞

ドライブ・マイ・カー

カンヌ=佐藤美鈴
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 第74回カンヌ国際映画祭は最終日の17日夜(日本時間18日未明)に授賞式が開かれ、長編コンペティション部門に参加した「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督(42)と共同脚本の大江崇允(たかまさ)さん(40)が脚本賞を獲得した。日本作品の脚本賞受賞は史上初めて。「ドライブ・マイ・カー」は国際映画批評家連盟賞とエキュメニカル審査員賞、AFCAE賞も受賞した。

 「ドライブ・マイ・カー」は、村上春樹さんの短編小説を原作に、人間がもつ多面性や複雑な感情をあぶり出した重層的な物語。

 妻の突然の死に向き合えないまま喪失感を抱える、舞台俳優で演出家の主人公(西島秀俊さん)が、自分の愛車を運転することになったドライバー(三浦透子さん)と時間を過ごすなかで、葛藤しながら再生へと向かっていく姿を描く。

 ほかに岡田将生さん、霧島れいかさん、韓国や台湾などの国際的なキャストも多数出演。日本では8月20日に公開が予定されている。

 濱口監督は商業デビュー作「寝ても覚めても」(18年)がカンヌの長編コンペ部門に入り、昨年は共同脚本を手がけた黒沢清監督「スパイの妻」がベネチア国際映画祭で監督賞(銀獅子賞)、今年3月のベルリン国際映画祭では監督作「偶然と想像」が審査員大賞(銀熊賞)を受賞。3大映画祭に立て続けに選ばれ、「日本の新世代」として国際的に注目されている。

 大江さんは近畿大学舞台芸術を学び、劇団を立ち上げて舞台作品に携わった後、映画制作を始め、監督や脚本家として活動している。

 最高賞のパルムドールフランスのジュリア・デュクルノー監督の「チタン」が選ばれた。パルムドールを受けた女性監督は史上2人目。幼い頃の事故で頭にチタンを埋め込まれた女性の物語で、過激な映像とともに「息子」として孤独な男性と心を通わせていく姿を描く。

 カンヌ映画祭は、新型コロナウイルスの影響で昨年は現地開催を見送ったが、今年は例年の5月から開催時期を遅らせ、感染対策をとる形で実施。長編コンペ部門には24作品が出品されていた。

 長編コンペ部門の他の主な受賞結果は次の通り。グランプリ=「ヒーロー」(アスガー・ファルハディ監督=イラン)、「コンパートメントNo.6」(ユホ・クオスマネン監督=フィンランド)▽監督賞=レオス・カラックス監督=フランス「アネット」▽審査員賞=「メモリア」(アピチャッポン・ウィーラセタクン監督=タイ)、「アヘッズ・ニー」(ナダブ・ラピド監督=イスラエル)▽女優賞=レナーテ・ラインスベ「ワースト・パーソン・イン・ザ・ワールド」▽男優賞=ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ「ニトラム」(カンヌ=佐藤美鈴