島からの初挑戦 コールド負けでも笑顔 東京・八丈高校

御船紗子
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(14日、高校野球東東京大会 城東9-0八丈)

 「元気だしていこう!」。五回裏、八丈の主将で捕手・菊池絆(2年)は両手を広げ、叫んだ。0―8。あと2点とられると、コールド負けが決まる。

 先頭に安打を許し、暴投で二塁に進まれた。次打者は外野フライで1死三塁に。3人目が打った球は左翼に上がった。日吉柊瑚(とうご)(同)が本塁にノーバウンドで送球し、タッチアウト。ダブルプレーを決め、この回を無失点に抑えた。

 1、2年生のみ10人の八丈にとって、東大会の優勝経験もあるこの日の城東戦が、練習試合も含めて初めての試合だった。

 部員ゼロだった昨春、絆たち1年が入部して部が存続。だが新型コロナの感染拡大で、離島であるがゆえの影響をもろに受けた。都教育委員会の「宿泊を伴う課外活動は延期または中止」との方針を受け、昨夏の独自大会は辞退。その後も島外に出られず、練習試合は組めなかった。

 選手のほとんどが小学校からの仲間。四回、ピンチでマウンドに集まった時は、川口虎生(同)が身ぶり手ぶりをつけたギャグで笑わせ、緊張を解いた。菊池駿良(しゅら)(同)は、チーム唯一の安打となる二塁打を放った。絆のいとこのエース菊池明博(同)は、五、六回と続いたコールド負けのピンチをしのいだ。

 七回表に得点できず、試合は終わった。でも絆は、「高校野球の雰囲気を味わえて楽しかった。城東のようなチームをめざしたい」と目を輝かせる。来年も同じメンバーで挑める。「スピード感とか基礎力とか、徹底的に鍛えたい」。これから夜の船に乗り、島に着くのは翌朝。着いたら、何から始めようか。=都営駒沢御船紗子