地方が問題点を指摘 接種完了前倒しの首相発言めぐり

小泉浩樹、戸田政考
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 新型コロナウイルスワクチンをめぐり、菅義偉首相が希望する全国民の接種完了目標を「10~11月までの早い時期」に前倒ししたことを受け、18日のNHK討論番組では、地方側から供給スケジュールなどをいち早く示すよう政府に求める声が上がった。河野太郎行政改革相は自治体間でのワクチン供給の調整を行うよう要請した。

 菅首相は17日の読売テレビの番組で、「10月から11月までの早い時期にワクチン接種を希望される全ての方の接種を終えたい」と述べ、従来の「10月から11月」としていた目標を前倒しした。

 18日のNHK討論番組では、首相発言について、実際に接種事務を行う自治体側から問題点の指摘や要望の声が上がった。平井伸治鳥取県知事は「戦略的に供給することを考えてもらわないと、なかなか実現は難しいかもしれない」と指摘。供給量や供給スケジュールを早期に示すよう要請した。

 また、東京都の近藤弥生・足立区長は「いま感染が急増している若い世代が打とうと思えば、足立区の場合、9月の後半から10月になる可能性がある」と実情を説明。「『今打ちたい』という若い世代の要望には全く答えられない。区民の要望と全く乖離(かいり)している」と指摘した。

 これに対し、河野氏は「9月末までに希望する全ての国民に打てるだけの量が入ってくる。量については問題ない」と強調。自治体間で接種速度に差が出ているとし、「都道府県で議論していただいて、うまく調整をしてほしい」と述べた。18日のフジテレビの報道番組では「なるべく早い時期に打てるように頑張るしかない」とも語った。

 また河野氏は、自治体で希望する量のワクチンが届かず予約取り消しなどの事態が相次いでいることについて、「供給が追いつかない状態になってしまったことは大変申し訳ない」と陳謝した。そのうえで「計画がきちんと組めるように、なるべく早く、9月まで見通しを出していきたい」と述べた。

 今後、より若い世代が接種の中心となっていく中、河野氏はワクチン接種をめぐるデマの広がりにも懸念を示した。フジテレビの番組で、SNSや動画投稿サイト「ユーチューブ」をあげ、「それに接する機会の多い若者の方が不安を感じる割合はおそらく高くなる」と指摘。「SNSなどのプラットフォームについても、それなりの対応をしていただく必要があるんではないか。デマについて一つ一つ反論していく必要がある」と述べた。小泉浩樹、戸田政考)