ボクシングは1904年セントルイス五輪から実施され、2012年ロンドン五輪から女子競技も始まった。
五輪におけるボクシングは「アマチュアボクシング」と言われ、プロボクシングとはルールが異なる。
プロの世界戦は3分間12ラウンドで行われ、ダウンのポイントを重視する一方、アマは3分間3ラウンド。有効打の数で勝敗を争い、ダウンを奪った打撃も、あくまで有効打の一つとしてカウントされる。体重を計測する単位も、プロはポンド、アマはキログラムが使われる。
実は、16年リオデジャネイロ五輪からプロボクサーにも門戸を開放している。ただ、日本ボクシング連盟によると、リオ五輪も今回の東京五輪も現役王者などのトッププロは参戦していない。
元プロ世界主要4団体ミニマム級王者の高山勝成(37)=寝屋川石田=は、東京五輪出場を目指してアマチュア登録して19年の予選に出場したが敗退。五輪出場はならずプロの活動を再開し、今年5月に世界ボクシング機構(WBO)ライトフライ級タイトルマッチに挑んだが、敗れた。
「プロのアマチュアボクサー」を標榜(ひょうぼう)する選手もいる。東京五輪男子ウエルター級代表の岡沢セオン(25)=INSPA=だ。今年3月、勤めていた鹿児島県体育協会をやめ、約20社とスポンサー契約を結んで活動している。「アマにはアマの魅力があり、プロの下という位置づけではない。3分間3ラウンドに凝縮されたハイテンポなスピード感、技術力を楽しんでほしい」と語っている。(塩谷耕吾)