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重い心臓病を抱える女子マネ 中学時代の後悔を晴らした

抜井規泰
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(17日、高校野球東東京大会 高島7-1順天)

 延長十一回。走者一掃の3点二塁打に、高島のマネジャー尾崎美優(3年)はスコアシートを挟んだバインダーを手に、選手と一緒に右腕を突き上げ叫んだ。

 1歳の時、重い心臓病と判明した。「心不全を起こす可能性がある」。激しい運動が禁じられ、中学までスポーツとは無縁だった。

 高島の野球部に憧れたのは中学3年の秋。全力で白球を追いかける選手たちに、自由自在に動き回る自分の姿を投影していた。

 合格し、野球部に。だが毎日クタクタになった。朝5時半に自転車をこいで朝練へ。帰宅は夜。制服のまま眠ってしまうことも。母久美子さん(49)は「退部しちゃうかもと心配し、でも続けても体がもつのかハラハラしていました」。

 演劇部を途中でやめてしまった中学時代を尾崎は後悔していた。「高校では部活をやり抜く」と誓っていた。目の前で見つめる選手たちの成長と、時折かけられる感謝の言葉が幸せだった。監督だけでなく、高野連の役員たちからも信頼されるマネジャーとなり、いま最後の夏を迎えている。

 後輩たちに伝えたいのは、「マネジャーって本当に楽しいよ」。でもその前に、チームのみんなで誓った夢がある。「甲子園で高島の校歌を歌います。きっと」=江戸川区(抜井規泰)