洪水被災地を訪れ談笑 ドイツ首相候補、批判浴び謝罪

ベルリン=野島淳
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 ドイツ西部を中心に広範囲に広がった大規模な洪水被害で17日、被災地を訪問したノルトラインウェストファーレン州のラシェット州首相が周囲の関係者と談笑している姿が「不謹慎だ」として批判を浴び、謝罪した。ラシェット氏は、メルケル首相の後任の首相候補として9月の総選挙に臨む立場だ。

 大洪水による死者は18日午前の時点でドイツで156人に上り、ベルギーでも30人以上になるとみられている。数百人単位で連絡が取れない人たちがおり、復旧活動と救助活動が続いている。洪水の影響は南部バイエルン州やオーストリアなどにも広がっている。

 ラシェット氏は17日、シュタインマイヤー大統領とケルン近郊のエアフトシュタットを訪ね、救助隊員らから状況説明を受けた。シュタインマイヤー氏が記者団の取材に応じていた間、後方でラシェット氏が周囲にいる人たちと笑いながら話をしている様子が映り込んだ。映像はニュースやSNSで広がった。

 大惨事の現場での笑顔に「良識を欠いている。人の性格は危機のときに表れる」(社会民主党のクリングベイル幹事長)などと批判が集まった。ラシェット氏はツイッター上で「不適切であり、申し訳なかった」と謝罪した。何について笑っていたのかは明らかになっていない。

 ラシェット氏は、与党キリスト教民主同盟(CDU)の党首で、9月の総選挙に首相候補として臨む。CDUの会派は環境政党・緑の党に差をつけており、現状ではラシェット氏がメルケル首相の後任候補として有力になっている。

 メルケル氏も18日、今回最も被害が大きいとみられているラインラントプファルツ州のアールワイラー郡を訪問する。(ベルリン=野島淳