歴史的だった今年のカンヌ 映画の「新しい形」と未来

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カンヌ=佐藤美鈴
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 第74回カンヌ国際映画祭が閉幕した。コロナ禍で2年ぶりの現地開催となった世界最高峰の映画の祭典は、様々な意味で「歴史的な映画祭」となった。

授賞式のハプニング

 17日(日本時間18日)の授賞式。冒頭、初の黒人審査員長となったスパイク・リー監督が、本来最後に発表する最高賞パルムドール受賞作を口にしてしまうハプニングで始まった。そんなトラブルも含めて、映画祭は何が起こるか分からない緊張感と祝祭感にあふれていた。

 そのパルムドールは、フランスのジュリア・デュクルノー監督の「チタン」に。頭にチタンを埋め込まれた女性が、孤独な消防士の息子になりすます物語。暴力的で過激な描写に批評家の賛否は割れたが、リー監督は「車が女性を妊娠させた史上初の映画。天才と狂気が共存していた」とその独創性を評価した。

 女性監督の受賞は1993年のジェーン・カンピオン監督「ピアノ・レッスン」以来、2作目。同年は別の作品との同時受賞だったため単独では初めてだ。

オールスター」ゆえの混戦

 デュクルノー監督は会見で「今回の受賞が、私が女性であることと関係ないことを願う」とした上で「2人目の女性である私の後にもこれから、3人目、4人目、5人目と続くだろう」と語った。審査員によると、選考の議論で性別への言及はなかったという。

 今年は審査員9人のうち女性…

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